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北條カズマレの庵

自分のネットでの活動の拠点です。自作の動画・自作の創作論などの解説を載せていきます。

【小説に関する言説】2.テーマ

テーマの取扱い方

テーマの主張が強すぎるあまり、まるでプロパガンダか何かのようになってしまった作品が存在する。

作者の主張を無加工でそのまま登場人物に代弁させ、作品内でそれが拍手喝采され、最終的に勝利を収める。

それはあまりに願望充足的すぎて白けるのだ。

読者にテーマを説教の形で垂れ流しているわけだな、そういう作品は。

作者にだって確かに伝えたいことはあるだろう。しかしそれは決して生のまま紙面に、画面に、吐きつけていいものではないのだ。

テーマが高級であればあるほど、表現は低級で無ければならない。

 

より具体的に

展開でもってテーマを描こうとするとご都合主義になる。

つまり展開はテーマの表現媒体としては不適当か、ひどく片手落ちであると言える。

では何がテーマを語るにふさわしいか?

展開へのリアクションである。

展開へのリアクションとは何か?

展開を受けての人物の行動とセリフである。

人物こそがテーマの核の搭載場所として適当なのだ。

展開、そして人物のリアクション。

一緒になって初めてエピソードは生まれる。

作品はエピソードの連なりでもって構成されている。

すべてのエピソードが同じくテーマを称揚するのではなく、エピソード同士を競合させ、対立させることによってかえって核のエピソードが埋没しつつ浮き上がるようにしなければならない。

テーマの取り扱いは高等技術ということだ。

強調、補佐、隠匿、連関。

自分もまだまだ扱い切れない技術。

また、テーマをこれでもかというほど吐きつけた作品が公開できるようになったらテーマについて取り上げよう。