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北條カズマレの庵

自分のネットでの活動の拠点です。自作の動画・自作の創作論などの解説を載せていきます。

【小説に関する言説】3.キャラ造形(五)

キャラ造形に必要なモノ

キャラクターをメアリー・スーや共感できないヤツにしないために。

 

主人公が備えなければならないモノ

少なくとも主人公はストレートな造形をしてはいけない。

脇役で刑事が出てくるならなるほど確かにそのキャラは登場時に警察署や事件現場にいてもいいだろう。

だが主人公は基本的に「アウトサイダー」なのだ。

血なまぐさい戦場の美少女や、学園に放り込まれた空手の達人やら、場違いさが必要なのだ。

環境とのコンフリクトが主人公の内面に強い独立心や不満を生じさせ、物語が動き始める。

それらの感情の源に何を設定するべきか?

弱さである。

人間的弱さこそが主人公の行動に説得力を与える。勇ましさ、卑劣さ、優しさ、残酷さ。

全ての根底に弱さがあるという造形をするべし。

しかしまあ弱さというモノをなぜみんなマイナスに捉えて隠そう隠そうとするのか。

欠点は魅力の一つではないのか?

始めに造形すべきこと、それはキャラの欠点であると思う。

例えば、「何を恐れているか?」である。

かなり広がりを持つ質問だと思うがどうであろうか。

しかしそれは共感を生むとは限らない。

受け手が自分を重ねられるのはかえってそんな葛藤をする主人公ではない、という事態は往々にして起こる。

で、あるがゆえに、動じない、わかりやすく、どこか達観した客観的視点を持つ人物が必要になって来るのだ。

主人公たちが異常な人物であればあるほどそうだ。

異常なキャラに対置される共感可能で自然な感覚の持ち主となるキャラこそがそこには必要というわけだ。

 

主人公の活かし方

そう、物語はもちろん主人公だけで出来上がっているわけではない。

複数の登場人物によるハーモニーが必要になって来る。

まず主人公が抱える葛藤、不満、弱さ。

それがたった一人の問題ではなく、他のキャラクター(主人公に繋がりがあるキャラないキャラ問わず)もまた様々な角度からそれについて悩んでいる風に作るというやり方がある。

主人公を内面から描くことは主人公だけを描いているだけでもできる。

もう一つ必要なのは、外から主人公を見つめるキャラクターだ。

そしてそういうキャラをはじめとする他のキャラは、見るだけでなく、主人公の行動の発起点にならなければならない。

何故なら普通受け手が荒唐無稽だとして拒否する主人公の突飛な行動も、他のキャラが動機づけの理由になればなんとかなるものなのだ。

 

物語を先に進める敵たち

主人公は困れば困るほど受け手を引き込むことができる。

一番簡単に困らせる方法は、難物を、敵対者を、嫌われるような人物をぶつけることである。

要は悪役か、対立者。

悪役は物語にとっては重要な位置を占める。

物語は時にキャラを生み出すこともある。悪役は物語の要請に応じて悪いことをするからだ。

しかし対立者は違う。彼の行いは物語の方を作るための、自分こそが主人公であると思っているような行動だ。

彼には自分が物語中の悪役という自覚はないのだ。

そのキャラを物語が必要としているのか、それともそのキャラがいることによって物語が生まれるのか。ここは区別しないといけない。

さて、主人公の話に戻そう。

そう言った「敵」とのやり取りの中で主人公は成長(変化)しないといけないわけだ。

どうしても譲れない、行動しなければならない理由」によって主人公は「敵」と分かちがたく結ばれる。

そして時間的リミットがさらに物語を前に推し進める。

そう。主人公には「敵」と戦う上でのタイムリミットを用いる作り方もあるのだ。

主人公は基本的には自分からは動かないから。

このくらいにしておこうか。

ではでは。